豪ドル/円相場は、1豪ドル=92~94円水準水準をコアに揉み合う展開になっている。中国の資源需要回復に対する期待感が強くなっていることを受け、やや豪ドル買いが優勢になっている。ただ、改めて本格的に豪ドルを買い進むことに対しては慎重ムードが強いことで、最近のレンジ内での値動きに留まっている。
中国の貿易統計によると、11月の同国鉄鉱石輸入量は7,784万トンとなった。前月の6,783万トンを大きく上回り、過去最高を更新している。これまでは景気の先行き不透明感から資源調達に慎重ムードが目立ったが、実際の経済環境は警戒されていた程の悪化とならなかったことで、ここにきて資源調達を拡大している模様だ。鉄鋼石のスポット価格や4ヶ月ぶりの高値を更新しているが、これ以外にもバルティック海運指数が年初来高値を更新するなど、資源需要拡大に期待を持たせる動きが増えている。こうした状況は資源セクターに強く依存する豪経済に対してはポジティブであり、豪ドルの下値不安が後退している。
7~9月期の豪国内総生産(GDP)は、前期比年率+2.3%となり、市場予測+2.6%を下回った。また、10月の貿易赤字は5.29億豪ドルとなり、市場予測3.50億豪ドルを下回った。依然として豪経済拡大の足取りは鈍いことが確認でき、一時的に豪ドル相場が急落する場面も見られた。ただ、6日に発表された11月米雇用統計が良好な結果になったことで、マーケット全体にリスクオンの追い風が吹いており、資源国通貨の下落余地は限定されよう。短期的には、最近のボックス上限をブレイクできるかが試される。
テクニカルでは、一目均衡表の雲上限(93.33円)をブレイクし、上振れリスクが拡大。次は95円の節目がターゲットになる。支持線は雲上限の下は、基準線(93.19円)と転換線(93.014円)が交錯するライン。サイコロジカルは、前週の7勝5敗から8勝4敗に。14日RSIは56.50。